申請代行だけでない行政書士のお仕事

行政書士というと、かつては代書屋などと呼ばれている時代がありました。
市役所や法務局などの近辺で事務所を開設し、役所に届け出る申請書類を一般個人や法人に代わって書くという役割を担います。

申請書類というのは書き方も難しく、たくさんの必要書類も添付しなければなりません。
そのため、専門知識のない一般個人や法人が行おうとすると、不備が出やすく、手続きが遅々として進まないのです。
そこで、行政書類の作成や書類集めのプロが代行業務を行うのです。
もちろん、現在も行政書士のメインの業務は、役所や警察署などの行政機関や陸運局等に提出する書類の作成や、必要書類を各役所から集めて添付する作業です。

もっとも、最近は仕事の幅も大きく広がっています。
たとえば、遺言や相続に関する業務があります。
この分野は弁護士や司法書士など他の士業ともかぶる部分ですが、遺言や遺産分割協議書などの書類の作成では引けを取りません。

また、書類作成の前提として相続の相談を受けたり、遺産分割に関するアドバイスもすることがあります。
弁護士等と業務がかぶる部分では、離婚に関する業務もあります。
こちらも、離婚協議書の作成だけを依頼しにくる利用者は少なく、作成の前提として財産分与や親権問題に関し、法律知識に基づいた助言を行っています。
また、高齢化社会にあっては成年後見の支援業務に携わる行政書士も増加しています。
そして、グローバル化の時代にあたり、企業の外国語の契約書を通訳を通じて作成するという業務も増えています。

親の事務所を継ぐ必要がある場合

行政書士を目指している方の中には、親が営んでいる事務所を継ぎたいと考えている方がいるかもしれません。
同じ資格に限らず、司法書士や弁護士、中小企業診断士等の事務所である可能性もあります。

行政書士はダブルライセンスにも望ましい資格で、他の士業に比べると比較的取りやすいとも言われています。
そのため、まずは行政書士を取得し、働いて経験を積みながら、別の資格にチャレンジする方も少なくありません。

では、合格できたとして仕事を始める場合、そのまま親が営む事務所に就職する形でいいでしょうか。
もちろん、親の仕事のスタイルを継承し、現在の顧客を中心に守っていくならば、それでもかまいません。
ただし、親子ではなかなか仕事のアドバイスというのがしづらいものです。
親が運営する事務所で他に雇用している人がいて、その先輩に指導を受けられるなら別ですが、親ひとりで運営している事務所の場合は、まずは別の事務所に就職して仕事のやり方を学び、修行をする方法があります。
中には1年程度で親の事務所に入る人もいますが、平均的には3年から5年は別の事務所で学び、多くの事例や経験を積みます。
ひとり事務所の場合は扱う案件に限りがありますが、大きな事務所や最近増えている様々な士業が集まったコンサルティング会社の場合、扱う案件も多彩で様々な事例を経験することができます。
親の事務所を継ぐ際に、こうした多彩な経験とノウハウを持っていれば、業務の幅も広げられ、安定した事務所経営が可能になるでしょう。

徹底したサポートがある通信講座

行政書士の通信講座の中には、徹底したサポートを行っている通信スクールもあります。
一人で頑張るという環境を、多くの方とつながり一緒に頑張れる環境にすることができるのです。

例えば生徒同士で交流できるコミュニティを、専用のホームページに作っている通信スクールもあります。
勉強に置いての不安や疑問、皆さんがどのように勉強しているのか、一人で勉強しているとなかなか聞けないことも、コミュニティを利用することで知ることができます。

またスクーリングを用意している通信講座もあり、実際に講義を受けることで自分がどの程度理解しているのか把握することができ、勉強の効率があがります。
また他の生徒との交流の場にもなります。

他にも過去問をたくさん用意してくれる通信講座もあります。
どのような出題傾向があるのか、分析している場合もあり、とても役立つのです。

そして行政書士の試験に合格するためのサポートだけではなく、行政書士として実際に働くためのノウハウや就職、転職サポート、独立開業サポートなどを用意しているスクールもあります。

合格することだけを目的としない、その先のことまで考えられた講座となりますので、すぐにでも働けるようにすることができるでしょう。

サポートを充実させれば、一人でするよりも勉強方法に迷いが生まれません。
ですがその分利用料金も上がってしまいます。
そのことを踏まえた上で、自分なら何を一番重視させたらよいのかを考えてみましょう。

行政書士試験と独学について

どのような勉強でも自分でどの程度勉強したのか、これは合格に最も大事なことです。

自発的に考え自発的に問題を解くという過程を経て能力は開花していきます。
これは法律資格として知られる行政書士試験でも同様です。
では、いきなり自分で勉強を初めてみるのがよいのでしょうか。

それは、少し待ってみる必要があります。

勉強を始める前に、合格にどの程度の知識、どの程度の勉強量が必要なのか把握できているか自分で考えてみる必要があります。
考えてみた時に全くどの程度の勉強量が必要なのか、どの分野の知識をどの程度深くすればいいのか、以上のことが具体的に頭に浮かばない場合は独学をいきなり始める前に周りの行政書士試験に詳しい人に相談することからはじめるべきです。
もちろん、独学で合格することは可能です。

しかし、独学で合格している人の多くはある程度の専門知識が有り、かつ勉強時間も確保できる方が多いです。
もしほとんど知識がないところからスタートでしたら効率よく勉強することが大事です。

合格率はおよそ10%前後であることが多いので、効率よく勉強して他の受験生よりも力をつけましょう。
効率よく勉強するためには、まず最初はスクールに通うのも良い方法かもしれません。
多くのスクールでは必要にして十分な知識量というものは過去の受験生と過去の試験を対比することでノウハウとして理解しています。
そのためテキストをくり返しやり込むだけで合格に必要な力が養われるのです。

難関資格である行政書士の合格率

わが国には様々な難関資格と呼ばれるものがありますが、「行政書士」も難関資格の1つです。

直近10年で言いますと、一番合格率の高かった平成25年度でさえ10.1%であり、もっとも合格率の低かった平成17年度に至っては、わずか2.62%でした。
これをお医者さんになるための国家試験である「医師国家試験」の場合と比較してみましょう。
「医師国家試験」の場合、直近10年で最も低かった年度でも87.9%ですから、「行政書士」がいかに難関資格なのかわかります。

このことからも試験に合格するためには、いかに効率よく点数に結び付く勉強をするのかということが、大切なポイントとなります。

行政書士の仕事内容ですが、非常に広範囲にわたります。
例えば離婚をする際に作成される「離婚協議書」を作成したり、あるいは遺産分割について書かれた「遺産分割協議書」を作成したり、ざっくりと言い表すならば「権利義務又は事実証明に関する書類」を作成することが主な業務内容と言えるでしょう。
しかしながら先に述べたように、その仕事内容は非常に広範囲にわたります。

最近では認知症高齢者の増加に伴って、「成年後見制度」に関する業務も請け負うようになってきました。
そのため多くの人は自分の専門分野というものを決めて、業務を行っている場合が多いのです。

合格率の低い資格ではありますが、実は試験の出題範囲は「公務員試験」と重なる部分が多く、公務員試験と両立しながらやっている人も多くいます。